【2STEPで理解!】合同会社でも大丈夫!(メリット・デメリットを解説)

合同会社

起業を考えるあなた「会社を設立したいけど、株式会社と合同会社のどちらにしようか・・・合同会社を選んで損はしたくないので、合同会社のメリットとデメリットを知りたい!」

今回は、こうした疑問にお答えしていきます。

本記事の内容
  1. 株式会社とどう違うの?(合同会社のメリット・デメリット)
  2. 【結論】合同会社で大丈夫!
  3. 今回のまとめ

この記事を書いている私は、行政書士であり、また小さな株式会社の取締役でもあります。
行政書士として、法的な側面から。
また取締役として、実務の側面から。
わかりやすく、身近なケースを用いて解説していきます。






1.株式会社とどう違うの?(合同会社のメリットデメリット)

先ずは、合同会社のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット① 設立費用が安い!

会社を設立する時の手続にかかる費用は、合同会社の方が安くなります。
株式会社最低20~24万円程度(登録免許税+定款認証費用)
・合同会社は6万円(登録免許税。定款認証費用は不要)

メリット② 決算公告の義務なし!

決算公告とは、会社の決算状況を公に報告することを言います。
株式会社は会社法上、決算公告の義務がありますが、合同会社はありません。

小さな株式会社ですと決算公告をしていないところが大半ですが、会社法違反になります。
(とはいえ罰金を科されたという話は聞きません。できるだけ、多くの会社が行うようになるといいですね!)

決算公告と言われても、難しいですよね。
要は、会社の財務状況を記載した書類を、公に発表しましょうねということです。

発表の仕方は、いろいろあります。
一般的に知られているのは、新聞に掲載する方法ですが、今は自社HPに掲載するのが主流のようですね。


メリット③ 役員の任期がないので更新不要!

合同会社には、役員の任期がありません。

一方、株式会社の役員の任期は、最長10年になります。
10年したら、新たに登記を変更しなければなりません(その際また登記費用がかかります)。

メリット④ 即決!即断!業務執行の決定がスピーディ!

株式会社ですと、経営の意思決定は株主総会で決めます(場合により取締役会)
この時、株主の持株比率によっては、取締役のやりたい事とは別の方向に決まる可能性もあります。
また、株主総会を開かねばならないため、その手続も行わねばなりません。

一方合同会社では、業務執行の決定は社員(社長さんなど)が行います。
株式会社のような手続きは必要ないので、スピーディな経営が出来ます。



デメリット① 信用性が低く見られるかも・・・

合同会社は設立コストが低く、業務執行の決定が早いですよね。
でもそのために、取引相手からの信用力は低いと一般的に言われています。

例えば・・・

・設立コストが低いので、ペーパーカンパニーと思われる
・業務執行の決定が早いので、簡単に契約を反故にされる恐れがある

などが挙げられます。

え、合同会社でも大丈夫・・・?と思われた方、大丈夫です!
これについては、次の項で深く解説していきます!

デメリット② 社員同士の対立による業務執行の遅滞

メリット④でも説明しましたが、合同会社の業務執行は、社員の決定によって行われますよね。
この時、社員が複数人いると、その決定は多数決になります(出資比率に関わらず一人一票)
このため、2人の社員が仲たがいすると、いつまでも業務執行が決定できなくなります。

しかし、これは定款の書き方で回避できますし、そもそも1人だけで起業しようとする場合、あまり関係がありませんよね。

2.【結論】合同会社で大丈夫!

「合同会社でも問題ない?」

はい。問題ありません。

というのも、このページを見ている方は、きっと自分で会社設立を行おうとしている方だと思います。
たぶん、スモールスタートを目指している方ですよね。
もしかしたら、おひとりで起業なさるご予定ですか?

もし大掛かりな融資が必要な業態でしたら、すでに取引のある銀行やVCなどのステークホルダーから、株式会社にするようご指摘があるのではないでしょうか。

しかし、スモールスタートをするような方でしたら大丈夫。
大規模な融資が必要となった場合は、その時に株式会社に変更すればいいのです。
(変更にかかる予算は大体10万円強といったところでしょうか)

とはいえ上で挙げたデメリットが、一人または少人数で行う合同会社にどれほど影響があるのか、具体的に見ていきましょう
(興味のない方は、ここで結論に飛んでいただいて大丈夫です)。

デメリット①への反論

さて、合同会社の信用力が低いというデメリットは会社の運営上どのように影響するのでしょうか。

これについては、
①取引の場面
②融資の場面
の二つの側面から考えていきましょう。

取引の場面

合同会社の信用力が低いということは、取引の相手に対してどのような影響を与えるでしょうか。
BtoC、BtoBの 場合に分けて考えましょう。

(1)BtoBの場合

企業間における取引の場合は、取引にで動く金額が大きいことが通常です。
このため、取引の相手方からすれば取引には慎重になりますよね。
そんな時に合同会社であることから、上に書いたようにペーパーカンパニーではないかと思われることもあるかもしれません。

でも、本当にそんな場面はあるんでしょうか?

私の経験で恐縮ですが、例えば企業同士で大きな取引をする場合、即断即決ということは考えられないのではないでしょうか。
既にその取引の相手方である企業さんとは何度か面識を作り、話し合いを重ねた上での取引となるのが普通ですよね。
合同会社であることからすぐに取引をしてもらえないということは、2021年現在であればちょっと考えづらいと思います。

確かに合同会社という制度ができた平成18年の付近においては合同会社というだけで怪しまれて取引を拒否されるということがあったようです。

しかし合同会社の知名度が上がってきた現在においては、合同会社と言う会社形態よりも、
むしろ製品の質や在庫状況相手の会社の財務状況などを考慮して取引に応じるのが通常と考えられます。

さらに一人しかいない株式会社の場合と比べてみましょう。
その方が、一人しかいない合同会社に比べて、より信用できると言えるでしょうか。

そのような場合に合同会社であるから、株式会社であるから、というのは直接は関係してこないでしょう。
また、企業間では合同会社という存在への知名度も高まっています(経営をしている人であれば、合同会社の情報へのリテラシーは高いはず)
心配いらないでしょう!

(2)BtoCの場合

確かに一般消費者は商取引へのリテラシーが高くなく、合同会社と聞くと怪しいイメージを持つかもしれません。
ですがBtoCの場合、消費者が真っ先に目にするのは屋号ですよね。
そこを超えて、合同会社というところまで意識するかはなかなか考えられないのではないでしょうか。
もし心配であれば、市場をリサーチしてみればいいかもしれません。

屋号がメインとなるカフェ、レストラン、風営法関係店、ショップ、英会話教室などは問題ないといえるでしょう!

融資の場面

銀行から融資を受ける場合は、合同会社というだけで不利になるでしょうか。

でも融資は会社形態のみでなく、事業計画、担保(多くは社長が連帯保証人となりますが)など複数考慮しますよね。
また、株式会社も合同会社も有限責任であることには変わりません。
こちらも、もし心配なら事前に銀行の融資係に相談してみてはいかがでしょうか。

一方、銀行以外の親族などから融資を受ける場合はどうでしょうか?
これは会社形態関係なく、あなたの信用の問題ですよね。
そうすると、合同会社でも株式会社であっても変わらないと言えそうです。

3.まとめ

以上、ご理解いただけましたでしょうか。
色々申し上げましたが、どちらの会社形態を選んだとしても、事業に大きく影響があることはなさそうです。

ただ、これは事業内容によるところが大きく、一概に皆さんをご案内できないもどかしさもあります。

もしどうしても踏ん切りがつかず、相談したいということであれば、HPの相談フォームよりご連絡ください。
設立を任せたいというご相談も歓迎です。

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